Special Insterview監督/loundraw
- 本作品に込めた思いを教えてください。
- 生きる形は様々です。
表舞台で輝く人もいれば、それを支える人もいる。エステティシャンという職業も、一見すれば地味な仕事なのかもしれません。ですがそこには、誰かに安らぎを与えるという尊い使命があります。仕事に限らず、人は時に自らを過小評価してしまいます。ですが実は、誰にも気づかれないような小さなことの積み重ねこそが、世界を回し、変えているのです。
どんな人生も、自分の選択に誇りを持って生きてほしい。そんな願いを、少女二人の物語に託しました。
- 注目してほしいシーンや、こだわったポイントを教えてください。
- 物語に登場する二人の、あらゆる意味での距離の描き方にこだわりました。
シーンごとに光と色の設計を細かく決めており、関係性や心境がセリフ以外の空気感から伝わるようにしています。注目していただきたいのは、舞台裏以降のシーンです。後半には、前半と同じ風景がいくつか出てきますが、演出を大きく変えているため、シーンが持つ雰囲気が別のものになっています。同じ景色も、心象で描き方を変える、アニメーションだからこそできる表現をお楽しみください。
- 実際に、エステティックサロンで施術を受ける取材をされたということですが、作品づくりに影響はありましたか?
- とても影響がありました。
内装や照明など、実際に足を踏み入れないとわからない雰囲気を感じられたことは、シーンのリアリティにとても繋がったと思います。そして、やはり一番のインスピレーションは、エステティシャンの方への取材と、施術体験でした。そこで感じた、人と人が一対一で向き合うことの大切さ、仕事への真摯さは、作中のキャラクターイメージを膨らませる際の大きな手助けになりました。
- イラストレーターとしてだけでなく、アーティストとしても幅広くご活躍されていますが、ご自身は進路に悩んだ経験はありますか?
- 大学当時、進路にはとても悩みました。イラストレーター、アーティストという、何も確実なものがない領域を目指す手前、本当にこの仕事をしたいのか、やり切る覚悟があるのかを自らに問うのに、ずいぶん時間がかかりました。在学中に何度か就活もしましたが、社会や会社との対話の中で、自分の存在意義についてすごく思い悩んだ時期もありました。ですが、今となってはそれも、成長する過程で必要な時間だったのだなと感じています。
- 夢に向かって頑張る方々へ、メッセージをお願いします。
- 夢は、自分がその価値を決めるものです。
人に笑われるような夢であったとしても、それが自分にとって何より大切な選択なのであれば、諦めないでください。
反対に、たとえ誰かに羨ましがられるような場所に立ったとしても、自分の心が満たされないのだとしたら、きっとそこには何もありません。
誰になんと言われたかではなく、自分で自分を認めてあげることこそが、夢を叶えるための何より大きな一歩目なのだと思います。
自分の中にある正しさを信じて、そして、いつかその正しさを世界に示してください。
Special Insterview海/高橋李依
この作品は、主人公のような海ではなく、咲の物語。 一瞬の描写や限られた言葉の中に、代わりのいない深い感謝が隠れているのを 感じました。それもお互い。
そして今回、loundraw さんが全面的に指揮を取って下さり、 この世界観に必要最低限の声を添えるような感覚で収録させていただきました。 「誰かを支える仕事」が題材のこの作品において、 私も声で支えられていたらいいなと思ってしまいます。
Special Insterview咲/上田麗奈
素敵な⼈がもっとキラキラ輝くように⽀えていきたい、そう思って⾏動できる⼈だってすごくすごく素敵な⼈。
感情豊かで快活な海ちゃんと、素朴で淡々とした印象の咲ちゃん、この2⼈が、観ている側にとてもあたたかい気持ちをくれるようなムービーになっています。
私も完成したものを観た時、とても感動しましたし、この先も⾃信を持って⽣きていくためのパワーを頂けましたので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
Special Insterview音楽/小瀬村晶
〝作品に寄せて〟
2月14日、loundraw監督と石井龍プロデューサーに初めてお会いしました。
その場で一緒に映像資料を拝見しながらお話しをしたのですが、その段階ですでに、お二人には音楽に関する具体的なイメージがありました。
楽曲を制作していく過程では、2分という映像に対して約7秒間隔で具体的なリクエストがあり、作品に対するloundraw監督ならではのこだわりの深さ/美意識の高さが、細部にまで宿った作品に仕上がっていると感じています。
僕にとって今回の作品は、初めてのアニメーション楽曲となるのですが、新進気鋭のスタジオである〝FLAT STUDIO〟が、これから積み上げていくであろう輝かしい作品の一部になれたことをとても光栄に思います。